登っても走っても変われない

山登りやランニングの趣味を書き留めておき、老後、思い出に浸る為の備忘録

第1回日光千人同心街道四十里ジャーニーラン <その②>

1th Nikkou Sennindousin-kaidou 40miles Journey-run 2019/06/15-16

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CP20 館林駅東口(その奥にAS4 80.4km)

 忍城を出て中間地点の館林駅まであと20km。雨は大分小降りになってきた。身体はだいぶくたびれてきたのがわかる。GPSウォッチは2km毎にLAPを刻む設定にしてあるが(本当は1km毎にしたいが、MZ-500は最大100ラップしか刻めないので)、今は2km進む体感は倍の4km位に感じる。しかし利根川を渡る手前で雨があがり、レインウェアを脱ぐと身体がリフレッシュされ、力が再び湧いてきた。

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CP19 川又宿道標(74.3km)
 しかし、利根川を渡り館林駅に着く頃には再び雨がポタリポタリと降って来た。天気予報では夜になれば雨は上がる筈だったのに………。18時40分過ぎに館林駅東口に到着した。19時までに到着できればと思っていたので目標達成。理由は絶妙なペースで引っ張って頂いたランナーのお陰であると思う。
 館林のエイドでは腰を降ろして、スマホ充電(これが良くなかった)、靴下交換とプロテクト1を足に塗る、ヘッドライトとハンドライトの準備を行った。外は再び雨が降り始め、雨脚が強まってきている。「また雨か・・・」と愕然とするも先に進まねばと館林駅を後にした。

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CP21 館林宿本町二丁目交差点 再び雨の中を進む
 雨の中をヒタヒタと単独走で進む。渡良瀬川を渡って佐野市へはいる。佐野市内に入り、位置を確認しながら慎重に進む。犬伏小学校はどのあたりか?スマホで調べようとするが、反応が悪く固まっているようだ。電源をon/offしてみる。パスコード入力後、地図アプリを起動しようすると勝手に誤動作を始めてしまう。第三者に乗っ取られているような動作だ!慌てて電源off。再度電源on。今度はスマホが勝手にパスコード入力動作を行い勝手に何度か間違えたあげく、連続して間違えた為か「iPhoneは使用できません。3秒後にやりなおしてください」とのメッセージが……。3秒後に恐る恐る最初の数字をタッチすると、またまた勝手に7桁の数字が入力されて「iPhoneは使用できません。5分後にやりなおしてください」とのメッセージが!きっと5分後にやり直しても同じであろう…………………。

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CP23 犬伏小学校
 呆然と立ち尽くし今の状況を認識する。即ちスマホは使用不可能になったということである。イコール私は地図を失ったということだ。終わった・・・・・・・。地図がなければ、誰かに頼み込んでコバンザメのように付いていくか?それでは他力本願で自分で走り切ったことにはならないだろうし相手に申し訳ない。この時「リタイア」という文字がはっきりと頭の中に描かれた。
 会社スマホのグーグルマップで犬伏小学校の位置を見つけて写真撮影して、トボトボと先へ進む。次のエイドは10km以上先だ。もう帰る電車はないだろう。走っていると感じないが、立ち止まると寒さを感じる。最悪のタイミングでのリタイアになりそうだ。

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私を救った撮影チェックポイント一覧

 !!。会社スマホがある!ハッと気づき、少し進んだ先のローソンに入った。スポーツエイド・ジャパンのHPからルートラボのGPXデータをダウンロード。会社アプリに入れているジオグラフィカに読み込ませる。取り合えず、ルートマップは確保した。あとはチェックポイントの位置だが、唯一紙として持って来ていた撮影チェックポイント一覧。これはザックに入れっぱなしだったので雨に濡れず生きている。これとGPSウォッチの距離で大体の位置を予想しながら見つければ何とかなるかも。
 再び走り始める。時たま立ち止まってジオグラフィカの動作を確認する。問題ないようだ。しかしその直後、更なる試練が私に襲い掛かる。市街地を外れてくると街灯も少なくなり道も暗くなる。ハンドライトも持った方が良いかな?と思いかけたその時であった。段差に躓き踏ん張ったが前のめりに転倒。左手左ひじから落ちて、更に左あばらを痛打。思わず咳き込み悶絶する。前後に人はおらず、道脇に座り込んで痛みが引くのを待つ。GPSウォッチのバンドも外れてしまった。左手左ひじには擦り傷で血が滲む。それより左あばらへの衝撃で深く息をすると痛みが出る状態になった。15分ほどその場に座り込んでいたがエイドはもう少しなのでゆっくりと前を目指した。足は大丈夫だが息をするとあばらが痛い。またもやリタイアの文字が頭に浮かぶ状況になってしまった。

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CP24 富田宿本陣跡碑 AS5の直近(103.4km)
 エイドに着いてスタッフに転倒したことを告げて傷を見せると、すぐに水で洗うようにと水を用意して頂き、消毒液をかけて頂いた。本当に暖かい対応に感謝すると同時に、この先のエイドでもランナーを待っているスタッフが居ることを考えるともう少し前に進もうという気持ちになった。御礼を言ってエイドを後にする。足は問題ないので走れるが、あばらが痛まない程度の呼吸で進まなくてはならないので、以前より走るペースはかなり落ちた。