登っても走っても変われない

山登りやランニングの趣味を書き留めておき、老後、思い出に浸る為の備忘録

第4回トレニックワールド100km in 彩の国 <その②>

TW100km 2019/05/11
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猫バス(リタイア収容バス)が来ないかと真剣に思った大杉前

 堂平キャンプ場エイドには12時40分頃到着。腰を降ろしてスープスパゲティを頂く。暑くなってきたなぁと感じたが、少なくともこの時には体調が悪いという感覚はなかった。

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堂平キャンプ場(第2エイド)
 予定どおり15分程休憩してエイドを出発。エイドを出ると七重峠まで一旦200m弱下り、笠山まで200強を登り返す。笠山への登り返しで身体が重く感じた。笠山まで登ればしばらくはまた気持ち良い下り基調のトレイルになって楽できると頑張ったのだが……

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笠山からの下り
 気持ち良い筈の笠山からの下りで身体に異変がおきた。右脇腹の痛みだ。堂平エイドでコーラ飲みすぎたかなぁ?位に考えて、ペースを落としてゆっくりと下る。しかし、一向に良くなるどころか、徐々に痛みが増して刺し込むような感じになる。右手で脇腹をグッと掴まないと痛みがやわらがない位だ。さすがに走れなくて歩いてしまう。歩いていると少し楽になり、走り出すとまた刺し込むような痛みが出てくる。どうも、心拍があがると痛みが出て、心拍が下がると痛みがひくという感じであった。困った。せっかくの下り基調がまともに走れない。それでも、ペースを落としていれば痛みは消えると、この時はそう思っていた。

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地獄の金嶽への登り①
 それでも下りでは、歩きが混ざるも、痛みが酷くなければ走りを繰り返して数名には抜かれたが、まだ体裁を保っていた。地獄を見たのは、その後の金嶽への登り返し。金嶽山頂まで350m程を登り返すのだけれども、全然登って行けない。身体にまるで力が入らない。走っていなくても、心拍があがると右脇腹が刺し込んでくる。思わず途中でメガシャキを投入。鈍った身体にイグナイターの効果を期待するが……あまり効果なしである。

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地獄の金嶽への登り②
 ついに、一旦林道に出た所で、思わず道端に座り込んでしまった。次から次へとランナー達に先を越されるが、今はそれどころではない。まずはこの状況を打開しなければ!休憩が一番と思い、ジェルを飲んで道端で15分程休憩した。再び残りの登りを耐え進む。登りを終えても体調は戻らず、フラフラになって慈光寺エイドに到着したのは、15時15分過ぎであった。

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慈光寺(第3エイド)
 計測器にタッチしてから、食欲もないので、そのまま座り込んだ。変だな、頭が鈍く痛い、今は吐き気もする。………!? 頭痛?吐き気?これ脱水の症状じゃないのか??もしかしたら、脇腹痛いということは、内臓に負荷掛かっているかダメージがあって、そのせいで上手に水分が吸収出来ていないのかも?慌てて、ザックの中から経口補水液パウダー取り出し、ソフトフラスコの水に溶かしこむ。15分程休んでエイドを出た。この時、体調は全く改善されていなかったが、この登れない気だるさの原因が恐らく特定出来たので、気持ちは少し前向きであった。

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新柵山へ向かう登り
 慈光寺エイドを出るとしばらくはロードが続く。新柵山のトレイルへ入る前の運動場のトイレに寄り、血尿になっていないか確認するも、色はいたって普通であった。これならば、水分取りながらゆっくり進んでいればきっと復活できる!そう思って新柵山のトレイルへ入る。普段はあまり苦にしない300m程の登りであるが、今は全く登っていけない。身体全体がまさしく苦しい。何度も休みながら、ようやく登り切り下りに入るも、走ると右脇腹に刺し込む痛みが襲いか掛かってくる。ここに来てさすがに心が折れかけていた。苦しいのは気持ちで補填出来るが、痛みは確実に心を削っていくようだ。大杉まで下りて来て次のエイドまでもうすぐだと思った時、この大会はリタイア収容バスがないことを思い出した。

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くぬぎむら体験交流館(第4エイド)
 道端に思わず寝ころんだ。蚊が飛ぶ音が聞こえるが、いまは疲れすぎていて気にならない。ここでは20分以上は横になっていた。リタイアしても、ニューサンピア越生まで歩かなくてはならない。そのまま進んでも同じだ。とりあえず、ニューサンピア越生まで行こう!エイドを出るとしばらく平坦なロードが続く。少しの希望をもって、少し走ってみる。1kmも走らないうちに右脇腹に刺し込む痛みが出てきた。吐き気はガスター10で治まったが、相変わらず鈍い頭痛。脱水気味の症状は改善されてないようだ。この時、ノースステージの51kmを終えたらリタイアすることを決めた。

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薄暗いトレイルをトボトボと歩く
 残り10km程であるが、心が折れた私には途方もない距離に感じる。走れるところも、もう走れない。まさしくトボトボと歩を進める。UTMFの疲れが残っていたのだろうか?それが大きな原因かな?仕事の飲み会も内臓には確実に良くなかったかな?そんなことを考えながら進んだ。すっかり暗くなった中、完走した昨年よりも早いタイムでニューサンピア越生に戻ったものの、そのままスタッフにリタイアを告げた。私の今年の彩の国は半分で終えることになった。