登っても走っても変われない

山登りやランニングの趣味を書き留めておき、老後、思い出に浸る為の備忘録

ULTRA-TRAIL Mt.FUJI 2019 <当日編①>

UTMF 2019 2019/4/26-27

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スタート間もない林道を行くトレイルランナー達

 富士山パーキングには7時15分頃到着、雨はパラパラという感じ。スタート会場行のバスは8時15分発。乗った途端、強力な睡魔に意識を失った。

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富士山パーキング場内バス停

 1時間少しで窓ガラスにあたる雨で目が覚める。外はかなりの雨だ。このところ参加する大会では雨に降られなかったので、嫌な予感しかしない。子供の国のスタート会場には10時過ぎに到着した。ここは2105年STY出走して以来だ。到着した時には雨はパラパラ。この時は雨はすぐに止むと思っていた。

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スタート会場
 受付を済ませ、必携品チェックに並ぶ。かなりの行列になっている。すると突然会社のスマホが鳴る。そうか!今日は平日だ。仕事の電話であった。夢見心地な状態から、一気に現実に戻された。その電話を受けて、別の場所へ電話する。会社に居ればメールで要件を伝えて様子を見る作戦も取れるが、今日は待つ時間はない。仕事の電話やメールをチェックしながら列に並んでいると、雨が本降りになってしまった。慌てて装備品のレインウェアを羽織る。今日は泥んこレース確定だ。そうしているうちに、ようやく装備品チェックの順番が来た。ほとんどの装備をチェックされた。一晩での準備であったがなんとか無事通過。

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雨が降り靄のかかるスタート会場
 その後はトイレの列に並ぶ。するとまた会社のスマホが鳴る。周りの人達は楽しそうな会話や笑い声。私は敬語を交えたビジネス会話。段取り十分な状態で休んだつもりが、想定外のことが起きるもので対応に追われていた。仕事をこなす毎に、私のテンションは下がる一方。スタート地点後方に並びながら仕事メールをスマホで作成していると周りに歓声が。顔をあげると大会実行委員長の鏑木さんがにこやかにハイタッチしながら周辺を練り歩いている。私も条件反射的にハイタッチしたが、私のテンションはどん底のままであった。

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スタート前
 ザックのショルダー部分には会社のスマホを忍ばせ、いつ電話が来ても対応できる状態にしてスタートを待つ。このスタートを待つ間、「この雨だから、出走は止めて出勤すればよかった」と本気で思っていた。この会場の中で一番楽しめていないのは、間違いなく自分であると確信があった。

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粟倉ウォーターエイド
 スタートして流れに身を任せる。半分よりは後ろの方であったかと思う。今回、コース状況の悪化による渋滞が酷かったことを考えると、この天気なので無理してでも前の方の位置取りをするのが正解であったのだろう。私はそんな事を考えることもなく、頭は仕事のことで一杯で、更なる問題が来ないかとおびえながらヒタヒタと走る。粟倉Wでは500mlの水を補給。この天気の割には水を消費していた。

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送電線下への取りつきからの渋滞
 粟倉から少し走ると渋滞発生。送電下トレイルへの取りつきからの渋滞のようだ。すかさずメールチェックして渋滞に並びながら対応を行う。周りの方が言うには、去年はこんなに酷くなかった。天候と参加人数増加のせいではないかとのこと。自分的には仕事対応の時間が取れて良かったというのが本音であった。

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ガスの中、送電線下を進むランナー達
 雨は霧雨程度。足場は悪く、濡れた草が思わぬスリップを誘発する。UTMFに出走しているランナー達は、この区間を送電線下地獄というみたいだけど、自分は仕事のことが頭から離れないのが地獄であった。

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たまに現れるアップダウン
 途中で何度か渋滞する。渋滞の原因は時たま現れる写真のようなアップダウンが原因であった。周りからは「関門ギリギリになってしまうのではないか?」という声まであがっていた。なんてこった、仕事に追われているこの状況に加えて、更に関門時間にも追われるか……と、この時私は愕然としていた。

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A1富士宮
 送電線下は後半から流れるようになり、15時半頃にA1富士宮へ到着。アンパン、クリームパンを食べてすぐにエイドを出る。幸い電話は無いなと思いスマホをチェックすると、着歴が・・・・しまった油断していた。周りは皆、まだまだ元気に走る中、歩きながら折り返しの電話をする。相手は出ない。仕方なく3km程走ってから再度架電するを2回ほど繰り返してようやく電話がつながり、なんとか一件落着。ようやく仕事面で一息つけた。

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天子ヶ岳登山口
 そんな状況の中、16時半頃、天子ヶ岳登山口に到着。まだまだ明るかったが、予めここでヘッドライトやハンドライトを準備しておく。山は霧が出るからハンドライトは必須であろうと思ったがその通りであった。

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ぬかるむ登りをいく
 登山道に入り少しいくと、あまりにも登りの苦しさに悶絶する。駄目だ、全然登っていけない。まだスタートから32~3kmだから皆しっかりとした足取りで登っていく中、私一人が次々と道を譲る有様であった。近くにあった切株に腰を降ろす。時計を見ると17時半を回ったところだ。スマホは、電波が来ている中、着歴も新たなメールもない。よし、今日の仕事はようやく終わったようだ。会社スマホをザックの奥に収納して、この身体の調子悪さを打開するための秘密兵器「メガシャキ」を飲む。

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天子ヶ岳山頂
 「メガシャキ」を投入して20分程すると汗が出て来て、登りに息があがらなくなった。効果はてき面だ。もう一本ザックに忍ばせているが、経験上2杯目はあまり効果がでない。とりあえず、道を譲ることはなくなり、18時過ぎに天子ヶ岳山頂に到着。しかし、ここからが困難極まりない区間であった。雨のせいでぬかるみ、所々で登りは渋滞、下りも渋滞する。雨もシトシトと降っている状況で、ヘッドライトだけでは足元が見えない。私はハンドライトに助けられた。

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熊森山へ向かうランナー達
 とても長かったが、何とか熊森山まで到達。ここからA2麓までは下るだけの筈であったが、今回の雨の為のぬかるみで超難区間と化していて、滑り台状態の箇所が数箇所あり、大渋滞を引き起こしていた。私は普段はあまり転ばない方であるのだが、今回は4回も転んでしまった。足場が極端に悪い場所は、両手が空いた方が断然有利で、ハンドライト持つと片手が埋まってしまうので、とても難儀した。(今後は腰ライト検討せねば)まさしく泥んこになり、そのせいでテンションも低いまま、A2麓に到着したのは23時半少し前であった。