登っても走っても変われない

山登りやランニングの趣味を書き留めておき、老後、思い出に浸る為の備忘録

第19回雁坂峠越え秩父往還の苦い思い出

2016雁坂峠越え秩父往還

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2016年:雨の中、雁坂小屋へ向かう

 胃の中のものは全て戻してしまった。胃を誰かに握り潰されているような痛みが三峰口駅前のCP4を出てから続いている。でも、正丸峠の区間で体内からなにもかも戻してしまってからは大分楽になってきた。何も食べられていないので力が出ない。何より、もう心は完全に折れていた。「もう駄目だ………来年頑張ろう!」。初めての100kmを超える超ウルトラ参戦。完全に舐めていた結果がこのザマであった。フラフラになって、CP7ロックガーデンカフェのエイドに着いた時、丁度同時にリタイア収容車も到着。「誰かリタイアする人はいますか?」その問いかけに、迷わずに手を上げて返事をする自分がいた。
同じペースで前後を走ってきたランナーから「もう少し行きましょう!」と暖かい言葉で励まされたが、もう自分にはひとかけらの闘志もなかった。この時、後で計り知れない後悔の念が襲いかかるとも思いもよらなかった。

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2016年:雨の中、豆焼橋を渡り山岳路に向かう

 「来年頑張ろう!」その言葉が空しいものになって2年がたった。約束されている未来なんてないから、今を後悔ないように力を尽くさなくてはならないのだろう。あの時自分は明らかに力を出し尽くしてなかった。あの時から自分の中で、「リタイアする」ということの敷居が低くなってしまったことは間違いないと思う。