登っても走っても変われない

山登りやランニングの趣味を書き留めておき、老後、思い出に浸る為の備忘録

🏔猿倉~天狗山荘~不帰ノ嶮~八方尾根 縦走 テント泊 1日目

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大雪渓をゆく
 9月のシルバーウィーク後半、24日は休暇を取得したので4連休、あわよくば大キレットへ挑戦することも考えていたが、穂高周辺で群発地震が発生したとニュースがあり、危険なので穂高方面は断念することにした。さて、何処へ行こうか?と白馬方面を調べてみると、頂上宿舎、天狗山荘のテント場に空きがあったので、天狗山荘テント場を予約。「2日前の直前でも以外と空きがあるものだな、天気も良さそうだ!よかったよかった」と安易に考えていたが、きっと経験豊かなハイカー達は、この2日前の時点でテント泊に適さない天候であると予測していたのに違いない。ルートは猿倉から大雪渓を登り、天狗山荘でテント泊。翌日は不帰ノ嶮を通り唐松岳を通って八方尾根を降りるコース。

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1日目ルート
 白馬八方バスターミナルの前の駐車場に駐車。ここは8年前の白馬国際トレイルランのスタート/ゴール会場だったところだ。初めての50km超トレイルランでボロボロになりながらゴールしたのをしっかりと覚えている。バスターミナルからバスにのり猿倉へ向かう。バスは2台出たのでハイカーは全員座ることが出来たようだ。

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猿倉荘
6時15分頃猿倉荘に到着。6時25分出発。予報通り天気も良さそうだ!

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白馬岳方面
しばらく林道を歩き、登山道に入ると登りが急になってくる。天気も良く見上げると絶景がみられる。来て良かったと思える瞬間だ。

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遠くに雪渓を望む
この時期は大雪渓もかなり面積が小さくなっているらしく、白馬尻小屋が建つ場所からも、しばらくの間登山道を歩く。しかもかなりの急登だ。見上げると青い空。でも雲の動きが速いなとはこの時思っていた。

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歩いた大雪渓を振り返る
大雪渓はあっという間に通過。チェーンスパイクも用意していたが、装着しなくても問題ないような状況であった。

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急登をゆく
大雪渓通過後は急登が続く。心なしか風が強くなってきたようだ。見上げると稜線から青空が少なくなっている。

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振り返る
稜線に近づくにつれて風が強くなり、さすがに寒くなって来たので、避難小屋あたりでレインウェア上を着る。周りのハイカーも皆上着を着始めている。「いや~風が強くなってきましたね~。まぁ予想はしていましたが。」隣の経験豊かそうな方に話しかけられた。何!?この強風は予想範囲のものだったのか!私は全く予想出来ていなかった…………。動揺を隠しながら、とりあえず「はい。」という返事で答えた。

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頂上宿舎
9時40分少し前に頂上宿舎へ到着。食堂売店がやっていればと思ったが、まだ鍵が掛かっている。トイレを借りて、白馬岳に向かう。

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白馬山荘と白馬岳山頂を望む
稜線へ出ると吹き飛ばされそうな爆風が!前回、白馬岳山頂はガスの中での登頂であったので、天気が良ければ寄っていこうと思ったが、前回よりも悪天候のようなのでやめる。

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頂上宿舎テント場
強風の中、テントを設営しようとする方が見えたが、なかなか設営できずに難儀していた。私も他人ごとではなくなって来た。

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爆風の中の杓子岳
風速は20メートル位はあるのだろうか?この爆風の中、先に進むか悩む。少し待てば風が収まるのだろうか?一人のハイカーが迷っている私を抜いて天狗山荘方面へ向かった。それを見ても少し悩んだが、私も先に進むことにする。但し、いつでも戻れるような気持ちと体制で。

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白馬鑓ヶ岳へ続く稜線
風は富山側から長野側へ吹き抜けている。この稜線、長野側が崖だ。即ち風に煽られれば落ちる。なるべく長野側の稜線に近づかないように身体を低くして進む。杓子岳山頂への道は、それこそ煽られて落ちそうな予感しかしないので巻き道を進む。

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鑓ヶ岳から白馬岳方面を振り返る
強風時は鞍部、稜線で低くなっている場所が注意だ。風が鞍部に集まってくる。稜線より風が3割増し位に感じる。前からハイカー一人とすれ違った。後ろからは迷っている時に抜かされたハイカーともう1名の2名のハイカーが続いているようだ。少し不安な気持ちが和らいだ。そう言えば、昨年の夏に黒部五郎岳から北ノ俣岳間では、この位の強風に加えて雨やあられも混じっていた。そう考えると落ち着いてくる。

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天狗山荘近くから白馬鑓ヶ岳を振り返る
12時30分過ぎに天狗山荘へ無事到着。長野側にある山荘は、この時点では風が穏やかであった。受付を済まして誰もいないテント場で一番良い場所にテント設営をする。強風対策でしっかりとペグや石でテントや張り綱を固定した。

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天狗山荘で牛丼
小屋ではお昼として牛丼を注文。小屋の中は風とは無縁で平和そのもの。宿泊者も数人いるようだ。テント場はこのまま独りだったら嫌だなと思っていたが、お昼を食べてテント場に戻ると数張り張られていて安心した。先ほどよりも風が出て来て設営に苦労しているようであった。明日もこの風が続いていた場合、私の技量では不帰キレットに行けば恐らく落ちるので、その場合は来た道を戻ろうと決めた。
この夜の強風は凄まじく、潰れるかと思う程にテントのポールがしなる。昨年の黒部五郎小屋でのテント泊ではこの位の強風に加えて雨と雷にみまわれていた。その時の経験が確実に生きているなと思い眠りに落ちた。