🏔空木岳~千畳敷(中央アルプス縦走)テント泊断念して日帰り
Mt.Utsugi 2021.08.28
駒石から見上げる空木岳
8月の終わりの週末、28~29日の天気は良好。前から登りたいと思っていた中央アルプスの空木岳に行くことに決定。空木岳から稜線を北上、駒ヶ岳頂上山荘のテント場でテント泊をする計画。厳しい縦走路だという情報だが、ヤマケイ地図の標準タイム15時間30分のところ、いつものように0.7倍、休憩も入れて15時半前にはテント場に到着する計画をした。この時は、まさかテント場まで辿り着けないような状況になるとは思いもよらなかった。
菅の台バスセンター駐車場
スキー場の駐車場に停めるかバスセンター駐車場(有料)に停めるか迷ったが、帰る日はロープウェイで下山する予定なので、菅の台バスセンターに駐車。3:50にスタート。
登山口
4時に登山口へ。そこから暗い中を進む。スキー場の駐車場からもハイカーが何人か出発してくるのがわかった。黙々と登るが、暑い。無風状態。序盤なのでガシガシ登る。1時間弱で林道終点の駐車場へ。水を飲もうとザックを降ろそうとしたときに目まいがした。「あれ?疲れているのかな?」着ている服をみてビックリ。上も下のズボンも汗でビッショリだ。もの凄い汗が噴き出している。思わず座り込んで体調を確認する。この感じ何度も経験がある。熱中症、脱水の前触れだ。水を飲んで少し休憩することにした。
林道終点から南アルプス方面を望む
信越五岳トレイルのブリーフィングの時、石川弘樹氏が「レース中における熱中症の最も効果的な対策はペースを落とすこと」と言っていたのを思い出す。20分程休んでから意識的にペースを落として進むことにした。しかし、意識的にペースを落とす必要などもなく、緩やかな登り坂なのに全然登って行けない。自然にペースが落ちた…………。
タカウチ場
この時はゆっくり登っていれば、身体はそのうち復活するものと思い込んでいた。池山の水場で1リットルの水を補給。最大で2リットルの水を持つ体制だ。
小地獄?
風の通る尾根に出てからは、道が険しくなる。岩場も所々あらわれる。しかし、足がおぼつかなくてしっかりと踏ん張れない。これはヤバい予感がする。いつもの倍は気をつけないと滑落しかねない。駒ヶ岳へ向かうときは宝剣は通らないで千畳敷の駅に降りて登り返すようにしよう!とこの時そう思った。
空木岳頂上と駒石を望む
樹林帯から抜けると真っ青な空に空木岳と駒石が見える。体調は良くないが天気は最高だ。
南アルプス方面を振り返る
樹林帯を抜けてから太陽の熱が身体に刺さる。風があるのが救いで、稜線に出てからは更に風が強くなり暑さからは助けられた。
空木山頂から八ヶ岳方面
9時半少し前にようやく山頂へ到着。抜群の景色だ。本当に来て良かった!しかし予定より50分程度遅れている。体調も復活には程遠い。15時過ぎにテント場到着は諦めた。テント場に遅く着くと良い場所がないだろうけど、テントも小さいし、端っこに張るしかないな。そんな気持ちで先に進むことにする。
空木岳直下の鎖場
下りだから少しコースタイムを挽回できるか?なんて考えたのもつかの間、すぐに鎖場や岩場の連続に出会う。今日は滑落の予感がするので慎重に降りたつもりが着地の際に左足首を捻ってしまう。1~2分程悶絶したが、歩きに支障はなく安堵。今日は普通の慎重さでは足りないことがわかり、慎重に慎重を重ねて下ることにする。
空木岳の岩場
それにしても段差も大きくテクニカルな下りだ。なだらかでよく歩かれている白馬とは雲泥の違いだ。このような岩場鎖場は、この後檜尾岳まで頻繁に現れ、体調の優れない私を更に疲弊させることになる。
眼下に見える木曽殿山荘
遥か眼下に木曽殿山荘が見えた。登り返す稜線を考えると背筋が寒くなる。
山荘手前から登り返す東川岳を見上げる
水が1リットルを切ったので、木曽殿山荘でミネラルウォーターとポカリを購入。水場まで行く気力はなかった。
東川岳を過ぎて空木岳を振り返る
厳しい登りに悶絶しながら、11時頃東川岳に到着。予定より1時間遅れ。もっと遅れていきそうな予感。木曽殿山荘あたりから駒ヶ岳方面からやってくるハイカーとすれ違うようになる。歩きながら、何故体調が悪いんだろうと考えたが、1週間前に接種したコロナワクチン2回目が影響しているのだろうか?
熊沢岳山頂付近
小ピークが続き上り下りさせられ、そして何しろ歩きにくく、ちょくちょく現れる岩場に難儀させられる。熊沢岳には12時15分頃到着。そこそこのハイカーで賑わっていた。このあたりでの疲弊感は半端なく、超ウルトラ中盤から終盤の時の、「進んでいればゴールは近づいている筈だからとにかく進もう」というような心理状態まで追いつめられていた。
岩場鎖場
今日は滑落の予感がするので、次々と現れる岩場は緊張する。この鎖場の一つ手前の鎖場は足の置き場がないかと思った程。(上から見えないだけで、しっかりと岩に足場になる鉄筋が打ち込んであった)
駒ヶ岳へ続く稜線
檜尾岳、熊沢岳近辺から避難小屋が見えたのですぐに着くかと思いきや、全然着かない。この区間もアップダウンに悩まされる。この辺りで、ストレスの溜まる下りよりは登りの方がうれしい気持ちに変わる。それと、この稜線ルートはほとんどピークを巻かない。主要峰はピーク経由、それ以外も大抵ピークを歩かせて頂く。「もうここは巻こうよ!」と独り言を言いながら進んだ。
檜尾岳山頂付近から、工事中の避難小屋方面
13時30分過ぎに檜尾岳にやっと到着。予定より1時間40分遅れ。手前で追い抜いたハイカーも、この後にすれ違ったハイカーも檜尾岳避難小屋に泊まるとおっしゃっていた。駒ヶ岳~空木岳間は長くて困難なことがわかった。来年の有人小屋化と山頂直下のテント場の開設が待ち遠しい。
濁沢大峰への登り返し
檜尾岳から200m程下らせられ、濁沢大峰、島田娘への登りを目の前にする。少し登り返したところでザックを降ろし考えた。テント場に着くのは17時どころか18時になってしまいそうだ。ロープウェイの最終が17時だから、千畳敷駅に17時までに着くようであれば、ロープウェイで下山することも考えようと。
島田娘の頭への稜線
濁沢大峰に着く頃からガスが出て来てた。天気は下り坂なのだろうか?ガスのお陰で体感温度は下がり、心地よい。
眼下にロープウェイしらび平駅を見る
牛歩のような歩みで極楽平を目指す。このころにはすれ違うハイカーはいなくなった。
ロープウェイ千畳敷駅
16時少し前に極楽平到着。宝剣には向かわず、千畳敷に降りる。スピーカーの案内音声が聞こえてくる。8分毎に臨時のロープウェイが動いているらしい。このアナウンスを聞いてロープウェイで下山することに決めた。16時半のロープウェイに飛び乗り、テント泊装備を背負っただけの日帰り縦走登山は無事に終了した。
今回ルート
装備
ザック | スタウト 45 | グレゴリー |
サコッシュ | treck carry sacoche | Karrimor |
テント | VL-16 | プロモンテ |
グランドシート | VL-14用 | プロモンテ |
シュラフ | アルファライト300X | イスカ |
シュラフカバー | エスケープライトヴィヴィ | SOL |
マット | コンフォートシステムエアパッド150 | モンベル |
枕 | コンフォートシステムピロー | モンベル |
ランタン | ミニランタン | モンベル |
ストーブ | ZIP | JETBOIL |
ボトル | 0.5L Tritan | nargene |
クリアボトル0.5l | モンベル | |
救急セット | 救急セット一式 | ドイター他 |
ストック | ウルトラディスタンス | Black Diamond |
ヘッドライト | TH-031D | ジェントス |
ハンドライト | DM-031B | ジェントス |
雨具 上 | トレントフライヤージャケット | モンベル |
雨具 下 | ピークシェルパンツ | モンベル |
防寒上 | ライトダウンジャケット | 無印良品 |
ジオラインLS MWハイネックZIP | モンベル | |
防寒下 | ライトシェルパンツ | モンベル |
パフォーマンスサポートタイツ | ユニクロ | |
防風上着 | ウルトラライトシェルジャケット | モンベル |
上 | ウィックロンクールT | モンベル |
スキンメッシュT | ファイントラック | |
下 | ストレッチ ライトパンツ | モンベル |
手袋 | ダイソー100均DIYコーナー | ダイソー |
帽子 | メッシュクラッシャーハット | モンベル |
靴下 | トレイルランパイル | Tabio |
シューズ | XODUS ISO | Saucony |
腕時計 | MZ-500 | EPSON |
【反省とメモ】
・テント泊装備12kg弱(水分2Lと食料込)を背負った修行のような日帰りハイキングになってしまった。
(EpsonMZ-500 :20.3km、累積標高3359m)
・予定のコースをよく考えて設定タイムを考えるようにしよう。
・岩場鎖場では、ストックをしまうのを面倒に思わないよう徹底する。
・歩くペースが遅く、よく休んでいたので、その分すれ違うハイカー達と色々なお話が出来てよかった。