登っても走っても変われない

山登りやランニングの趣味を書き留めておき、老後、思い出に浸る為の備忘録

KAI69 2022年

KAI69 2022

快晴のスタート会場
 コロナ禍あたりから山に行く毎に感じているのが、「いつまでも山をせわしなく走っている場合ではないな、もう若くないから、これからはゆっくりと密度を濃く味わう方向へシフトをして行かねば。」「でもやっぱり100マイルレースは完走して老後の思い出にしたい。」
しかし、テント泊ばかりしている間にITRAポイントも消えていき、最も完走出来る可能性が高そうなUTMFには抽選エントリーさえ出来ず。慌ててポイントを会得するために、今年は積極的にレースに参加を始めている中、奥三河パワートレイルを完走出来なかった場合に備え、ITRAポイントを得る為に保険的にエントリーしたのがこのレースであった。


START:富士急ハイランド
 前日受付をして都留市内で宿泊。睡眠十分の筈でスタート会場へ向かう。本日の予想最高気温27℃…………。暑さに殺られて熱中症気味の状態で、まるで寿命を削るかのように山を登るのはもうコリゴリだ。奥三河パワートレイルの後、筋肉痛は3日ほどで治ったが体調がなかなか回復せず、2週間たったこの日も完全に回復していないような気がする。KAI69、かなり余裕のある緩い関門時間の設定なので、とにかく富士山を見て楽しみながらゆっくり走る、競争とは無縁な最後方の方からスタートしてのんびり行こう!というのが今日の作戦。


スタート直後の林道
 快晴の中、富士山が正面に綺麗に見える。UTMF関連の大会は2015年STY、2019年UTMFと今回は3回目(UTMFは2016年からエントリーしているが、1回しか抽選を通過していない)。過去2回は悪天候だったので、今回はようやく綺麗な富士山をみながら走ることが出来る。


綺麗な桜(富士人材開発センター内)
 11時スタート。最後方から粘りに粘って、一番最後に計測シート通過成功。しばらくは歩こうと思って林道を歩いていると、後ろからスイーパーが走って来るので抜かれないように走りを混ぜる。アスファルト道路に出てからはゆっくりと走り始めた。KAIのランナーは大方先に行っているので、周りは水色ゼッケンのUTMFのランナー達が7割くらい。それにしても暑い。まともに走っていたら今回も熱中症になりそうだ。


快晴の富士山
 富士山をみると何故か心が、気持ちが昂る。昨年は久々に富士山を登ったことを思い出しながら富士山を眺める。遠くから見ると良くあんなところを登れるよなぁと思ってしまう。


K1:忍野(19.2km)
 14時頃K1:忍野へ到着。早速水を1リットル補給。水の消費が激しくて水のリザーバーが無くなり掛けているというアナウンスがされていた。私は無くなる前に水を補給。胃薬を飲んで先に向かう。エイドを出る時に水のリザーバーが到着した所であった。


大平山からの富士山
 ひたひたと歩きながら登り、平坦になればゆっくりと走るという感じで淡々と進む。20kmちょっとしか来ていない私と同じように115kmを走ってきたUTMFのランナーも淡々と進んでいる。UTMFのこの辺りのレンジの人達はすごい人達ばかりなのか?


平尾山への登り
 所々嫌な登りがあるが、ぬかるんでツルツルになっていなくて助かった。大平山、平尾山から見る富士山も素晴らしい。富士山周辺は昼に比べて雲が多くなって来た。


K2:山中湖きらら(28.1km)
 16時少し前にK2:山中湖きららに到着。大勢のランナーと私的サポーターで賑わっている。ここからは厳しいとと思われる区間。明神山~石割山のルートは初めて通る区間で楽しみだ。


明神山への登り
 さすがに30km過ぎるて来ると、この登りも中々簡単に登って行けない……。でも周りは7割はUTMFランナー。既に120kmを走ってきているのに黙々と登っている。30km程度の私が泣き言を言うなんて、まったくおこがましいので、私も無言で耐えて登る。


高指山からの富士山
 明神山からの尾根は、前半は気持ち良くて走りやすい尾根。山伏峠に近づくと、所々痩せ尾根とちょっとした岩場がある。山伏峠を過ぎたあたりで、丁度よい切り株が空いたのでヘッドライトの他にハンドライトも準備。寒くなって来たのでアームガードを装備。ウィンドブレーカーもすぐに羽織れるような場所に収納。石割山を過ぎてようやく下りになる。UTMFの一部ランナーの下りの速いこと速いこと。やっぱり、このあたりのレンジを走る人達はレベルが高いのかもしれないなと再び思う。


K3:二十曲峠(41.7km)
 19時半頃、K3:二十曲峠に到着。クリームパン、コーラを頂く。更に暖かいコーヒーを飲んでゆっくりする。動いていると寒くは感じないが、止まって10分も過ぎてくると寒くなるので、仕方なく飲みかけのコーヒーを片手に出発。杓子山手前の岩場で何度か渋滞するも、それがほどよい休憩になって助かった。 


杓子山からの夜景
 21時45分頃杓子山山頂へ到着。夜景が素晴らしい。また遠くで花火の音がする。河口湖の方からか?杓子山からの所々の激下りでは、何度か滑って転びそうになる。土に溶け込んで良く見えない木の根や、泥をかぶっている土嚢が良く滑る。それはそれで周りにランナーと注意しながら、転びあいながら楽しく進めた。杓子山からの激下りを終えると空腹感を感じたので、林道に出てからジェルを2袋摂取。しばらく走っていると、何故か睡魔がやって来てしまった。


K4:富士吉田(53.9km)
 23時半ごろ、K4:富士吉田に到着。吉田うどんを頂くが、座って食べていると眠気がきてしまい、あまり食が進まない。眠い時はコーヒーだと思い、コーヒーを飲んだのだが……結果的にまるで効かなかった。
ここにはストーブのある仮眠所があり、この時間は空いていた。後で冷静に考えてみると、まったく急いでいる訳ではないので、ここで15分でも20分でも寝れば良かったのだと思う。


ゴール地点(69.4km)
 コーヒー飲んでも睡魔は撃退できず、平坦で走れるところはまだ良かったが、山道に入り登りになって歩き出すと完全に睡魔の餌食となった。一晩超えて二晩目なのに、黙々と登るUTMFランナー達に対して合わせる顔もないというか、おこがましいというか、情けないことだが、とうとう睡魔に屈服、道端に座って10~15分程ウトウトするを2回ほど繰り返す羽目に……。ウトウトしていると「誰かあそこで寝ているぞ!」という声も聞こえた。きっと『なんだ、KAIのランナーじゃないか、よえ~な』とUTMFランナー達に思われていたに違いない。ようやく尾根に出て走れるようになって徐々に睡魔は消えていったが、眠気と同時に元気さも消えていた。最後のひと山に思わぬ苦労をしたが、力なくもなんとか最後の尾根を下り、3時過ぎに無事に富士急ハイランドへ帰ってくることが出来た。

装備

種別 品名 メーカー
ラミースピンドライジップ ファイントラック
Swallowtail Short THE NORTH FACE
インスピレーションゲイター C3fit
スカイトレイルアームガード メスカリート
防風上着 EXライトウインド ジャケット モンベル
雨具上 トレントフライヤージャケット モンベル
雨具下 ピークシェルパンツ モンベル
防寒上 ライトシェルジャケット モンベル
防寒下 パフォーマンスサポートタイツ UNIQLO
手袋 ダイソー100均DIYコーナー ダイソー
帽子 アルファドライキャップ THE NORTH FACE
防寒帽子 アクリルCAP 百均
夜間帽子 BUFFもどきフロストバイト参加賞
ゼッケンベルト RACEMATE BIKERIBBON
靴下 tabioレーシングラン5本指 Tabio
バック Zygos2.5 UltrAspire
シューズ INFERNO XLITE 2.0 TECNICA
ヘッドライト H7R.2 LEDLENSER
ハンドライト パトリオ6 GP-6BK ジェントス
背面灯 チカチカライト TW
救急セット 救急セット一式 ドイター他
腕時計 MZ-500 EPSON

反省
・久しぶりに睡魔の虜となった。歩かざる得ない登りの眠気対策を考えねば。
・ペースがペースだけに、熱中症対策は概ねうまくいったと思う。

第7回奥三河パワートレイル

7th OKUMIKAWA POWER TRAIL 2022.4.10
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花が咲き乱れる小松集落をいく
 過去2回リタイアしていて、いつかは完走してリベンジを果たしたいと思ってたこのレース。先延ばししていては、どんどんとリベンジ確率が減るような、いや確実に減ってくので今回エントリー。いまだコロナ禍で色々と制限がある中(直前に4月7日に新城市地震もあった)、運営の努力で開催されリベンジの機会を得ることが出来た。ありがたい。
1回目(2017年):熱中症でフラフラになり四谷千枚田エイドでリタイア。
2回目(2018年):膝痛で練習もできないまま出走。膝痛と熱中症気味で岩古谷山登山口でリタイア。

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スタート前
 当日の予想最高気温25℃……。この時期、暑さに慣れていない身体では熱中症になる予感しかしない。2017年挑戦時はまさにそれだった。熱中症対策としては、①積極的な水分補給。CP1までに500ml、CP2までに1000mlは最低限摂取。②CP2~CP3はとてもゆっくり進む。③早めのガスター10。

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渋滞の茶臼山へ登る道
 今回から大きなコース変更が2か所あり、「最初に茶臼山の向かいにある萩太郎山へ登って降りてから茶臼山に向かう」「ゴール地点が湯谷温泉から、鳳来寺参道下の旧門谷小学校に変更」それによってスタートからCP1まで距離がのびたが、CP5~FINISHまでの距離が短くなった。
過去の大会のリザルトから、13時間程度でFINISHするランナーの各区間所要時間を確認すると、START~CP1:1時間30分、CP1~CP2:2時間、CP2~CP3:1時間30分、CP3~CP4:3時間、CP4~CP5:2時間、CP5~FINISH:3時間
 そこで私のCP到着の目標時刻はCP1:7時30分、CP2:9時30分、CP3:11時30分、CP4:14時30分、CP5:16時30分、FINISH:19時30分として制限時間一杯で完走する形。最初の区間でひと山登る山が増えるので+15分掛かると想定するが、過去の2大会では1時間15分位で通過してるので許容可能。一方で最後の区間は距離は短くなっているのでCP5を17時に出てもギリギリ間に合うかもしれない。そんな計画で臨んだ。

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萩太郎山へ登る直登
 青空の中スタート。最初のひと山増えるのがどの位影響があるのか不安なところだ。ランナーの流れに身を任せて走っていると……おかしい。私は方向音痴ではない筈だが向かっている方向が茶臼山だ。立ち止まってスマホで確認してると「間違えました、すいません」とう誘導員の言葉と共に先頭集団が引き返して来た。やっぱりそうか!引き返して来たランナーの向かう方向についていくと茶臼山へ登る方向に誘導されたようだ。後々考えてみると、このスタートから5分ほどで発生してしまったミスに対して、出来得る最善のリカバリー対応を運営が迅速に実施したのだと思われる。まさに神対応のレベルだ。

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萩太郎山頂上付近を走る
 茶臼山への道は渋滞。「まぁのんびり進もう。ひと山減ったし、最後の区間も短くなっている。悲願の完走に願ってもない追い風だ!」と思うと渋滞のイライラは皆無。ようやく茶臼山を降りて小型風車の所を通過して前方を見ると……萩太郎山へ登っている先頭集団が見えた。「なんだ……こっちの山も結局登らされるのか……。」さっきまでのラッキー気分がすっかり冷めて時間が気になりだす。

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CP1:つぐ高原グリーンパーク(14.6km)
 萩太郎山を登り終え小型風車の所まで降りてきた時点で時計を見ると6:57。距離はここまで6km。CP1の関門時間は8:00なので全然余裕がない。萩太郎山の方を見るとまだ登っているランナーもいる。間に合わないランナーも出てくるのでは?自分もCP1でTimeOverだと洒落にならないので先を急ぐ。先にアスファルト道路での登りの萩太郎山を行けば渋滞は少なかったが、先に茶臼山へ登ることにより渋滞が多く発生、その分時間が掛かったのだろう。

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面ノ木風力発電所をいくトレイルランナー達
 7:45頃CP1に到着。水500mlを補給して先を急ぐ。予定より15分遅れ。肝っ玉の小さい私は、その15分遅れを意識してしまい、頑張ってはいけない前半をまたまた頑張ってしまったようだ。

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CP2:碁盤石山登山口(23.4km)
 4年ぶりのコース。走るに連れて記憶が蘇る。風車のところ、MAGMAのエイドがあったところ、忘れていた記憶を呼び戻しながら走るのも中々新鮮だ。碁盤石山手前のスタッフから各CPの関門時間が15分ずつ延長されていることを知った。CP2碁盤石山登山口には9:15頃到着。よし!遅れは挽回した。水を補給して出発。
ここからは「ゆっくりゆっくり」を意識して進む………「あれ?ここは前の大会でCP2があった場所だ」と思い出して気がつく。「時計を見ると9:44。全然挽回していない!」。この事実にまたまた焦ってしまう。

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美しくのどかな小松集落
 タコウズ川に沿って進む林道。中々終わらない舗装区間に確信する。「間違いないな、舗装区間がかなり延長されている」。コースマップの林道を示す緑色の線の半分は赤色で記すべき舗装区間に変わっていて、地味ながら膝腰にダメージを蓄積させる上にきっと気温も上昇させていたのだろう。

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CP3:小松長江老人憩の家(37.5km)
 林道を途中で降りてタコウズ川を仮設橋で渡り、古道で小松集落を目指す。ここも急遽コース変更された区間だ。しかし息があがって坂を登って行けない。ヤバい熱中症の前兆だ。身体の不調に恐怖困惑しながら小松集落に出ると、そこは木々に花が咲き乱れる何とも美しい里であった。そんな景色を見ながら大会屈指のホスピタリティ溢れるCP3小松エイドには11時頃到着。時間は挽回したが、身体は明らかに熱中症一歩手前という感じだ。五平餅と甘酒を飲んで、出入り口の場所にあったかぶり水を念入りかぶる。身体が冷えてくれと願いながら。

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CP4:四谷千枚田(47.2km)
 岩古谷山までは何とか登った。そこから先は身体の血液が沸騰してしまい、登り坂ですぐに息が切れてしまう。何度も立ち止まりながら前へ前へ。今年も四谷千枚田で終わりなのかも。そんなことも思いながら、何とか14:30頃CP4四谷千枚田に到着。ゲートから冷たい水が滝にように落ちており、生き返る思いで浴びる。「○○!そんなに暑いか!頑張れよ」と入ってくるランナーを励ましている親父DJに励ましてもらう。

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四谷千枚田のエイドを振り返る
 先に進んで大丈夫なのだろうか?という思い半分でエイドを後にする。ここからは未知の区間だ。色々な方のブログを見ると「岩古谷山~鞍掛山」区間のような厳しい記述が無い。「きっと登るは登るけどアップダウンはそれほどでないんだろう」と期待する。しかしその期待は裏切られた。822mのピークまで急登。それが終わると宇連山手前まで悶絶するギザギザ区間。水を被ってビショビショになった上着も帽子も乾き切り身体が沸騰している。フラスコの水も被って必死に身体を冷やすが、何度も何度も急登の度に立ち止まる。さすがにもう駄目だ。宇連山手前で右折して平坦になっても走れない。後方からのランナーに抜かれる度に走り出すが、追いかける気持ちが全く湧いてこない。

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CP5:棚山高原(54.3km)
 すっかり疲れ切り、ここで止める気持ち半分でCP5棚山高原には16:50頃到着。小松、四谷と違い必要最低限のエイドだ。ここでリタイアしてもゴール会場まで運ばれるのも遅くなりそうだ。+15分延長もあるので間に合うかもしれないな、とりあえず先に進もうかな?決意らしい決意もなく、ただちょっとした気まぐれ程度で先に進むことを選択した。しばらく下り基調の平坦な道を進む。激下りが始まる所で遥か先に鳳来寺山が見えた。遠い……山は遠く見える。それを信じて歩を進める。

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ゴール直後のFINISH地点 旧門谷小学校
 300m下り鳳来寺山へ向けて登り返す。あたりは暗くなった。登りでは何度も息があがり立ち止まる。フラスコの水を浴びながら黙々と歩を進める。所々にいるコースのスタッフも疲れ切っている。長時間の山中での誘導、本当に頭が下がる思いだ。登りながら何度も諦めながらも、ようやく18時50分頃に鳳来寺山山頂を通過。ここに来て初めて完走が見えた。ここからすぐに参道の階段があると思いきや、しばらく山道を走ったあと階段となる。階段を慎重にヒタヒタと降りる。標高も下がったせいか身体から汗が噴き出してくる。こんなに汗が出てくるのはスタート直後以来ではないか?階段が終わりあとはゴールまでもう少し、汗が出たせいか身体が軽くなり、先ほどまでの状況が嘘のように苦も無く走って行ける。19時30分少し前、無事に何とかFINISH地点にたどり着き、3回目でようやく初めて完走となった。


装備

種別 品名 メーカー
ラミースピンドライジップ ファイントラック
Swallowtail Short THE NORTH FACE
インスピレーションゲイター C3fit
スカイトレイルアームガード メスカリート
防風上着 EXライトウインド ジャケット モンベル
雨具 トレントフライヤージャケット モンベル
防寒上 ジオラインLS LW モンベル
防寒下 パフォーマンスサポートタイツ UNIQLO
手袋 LIGHT TREKKING FINGERLESS GLOVE Berghaus
帽子 アルファドライキャップ THE NORTH FACE
夜間帽子 BUFFもどきフロストバイト参加賞
ゼッケンベルト RACEMATE BIKERIBBON
靴下 tabioレーシングラン5本指 Tabio
シューズ TRAILROC285 INOV8
バック AK Mountain Vest 3.0 Ultimate Direction
ヘッドライト TH-031D ジェントス
ハンドライト パトリオ6 GP-6BK ジェントス
背面灯 チカチカライト TW
救急セット 救急セット一式 ドイター他
腕時計 MZ-500 EPSON

反省
・何度も諦めかけたが完走出来た。この経験は大きい。
熱中症対策は身体の内側と外側か?
 内:水分補給、早めの胃薬、汗をかかせるサプリ?
 外:水をかぶる、涼しい服装、冷感タオル等
 総合:事前にペースを落とす
経口補水液パウダーの味に飽きた→2種類用意する 

第12回小江戸大江戸200K

Coedo-Oedo 200km 12th 2022/3/12-13
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スタート/ゴール会場(12日夜8:45頃)
 今年も開催してくれた小江戸大江戸200K。昨年は小江戸完了でリタイアしてるので今年は何としてでも完走せねばならない。超ウルトラはやっぱり前に進むという気持ちが大切なんだろう。今年はそれをつくづく感じた大会であった。

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スタート前
 今日の予想気温は20度超。去年並みかそれ以上に暑くなりそうだ。手島エイドまでは最低1リットルの水分を取ること。昨年は無理なスローペースで足がおかしくなったので、今回は基本的に自分の気持ちの良いペースでいくこと。但しキロ6分よりは速くならないこと。この2点が今回の作戦だ。あとは美化された記憶を消し去る。毎年スタートラインに着く度に、何処までも気持ちよく走って行けるような錯覚に浸ってしまう。しかし毎年50kmの浄恩寺エイドでは、ようやく1/4しか来ていないことに呆然とし、バイパスから外れて手島エイドに向かう不整備な歩道に入って足腰の疲れと痛みを感じ、残り130kmの距離を考えてやるせなくなる、それが現実である。

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吉見エイド
それにしても暑い。3月下旬の開催であった昨年も暑かったがそれ以上かもしれない。周りのランナーの衣服やザックを見ると汗が渇いて白くなってなっている。自分の衣服を見ると大丈夫そうだ。(そう思ったのは走っている時だけで、蓮馨寺に戻って着替えの時に確認すると背中部分は激しく汗が白く結晶化していた!)

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土手に咲く菜の花をいくランナー達
 今年も土手の菜の花が美しい。吉見エイドまで500ml。手島までで500mlの水分消費。積極的に水分を取っていく。

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手島エイド
 手島エイドを過ぎて鹿島古墳群あたりの40kmまで来ると、無理に抑えなくてもペースがあがらなくなって来た。更に500ml水分消費。

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ファミリーマート 深谷田中店
 水分補給しなくてはと、もはやエイド化しているファミリーマート深谷田中店で、フラスコ用に「南アルプスの天然水500ml」、そして今飲むために「ごくごく飲めるミネラル麦茶」600mlを購入。
ランチパックツナマヨを冷えた麦茶で流し込む。「うめ~!。生き返る思いだ。」恐らくこれがいけなかった…………。

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唐子エイド
 花園インターあたりで気持ち悪くなる。やばいなと思いながら浄恩寺エイドに到着。腰を降ろすが食べ物に食指が動かない。胃が働きを止めた感じだ。こういう時は早めのガスター10だ。薬を飲んで先を急ぐ。気持ち悪い。吐き気が弱まると今度は胃が握り潰されるような痛みが……。気持ち悪さと痛みの度に立ち止まったり歩きながら17時少し前に唐子エイドに到着。そうめん?きしめn?を頂こうとするが胃が寄せつけない。汁だけ少し飲んで、レバミピド錠も一緒に、更にガスター10追加投入。何とか効いて欲しい。このまま食べられないと残り140kmは絶望的だ。
 蓮馨寺に戻る手前のローソンでウロウロして胃に入りそうなものを物色するが、食指が動くものは何もない。その時ヤマザキのスティックパンが目に留まり、これを水に溶かして胃に流し込もう!と思いつき購入。20時頃蓮馨寺に到着。着替えながら15分掛けて1.5本のスティックパンを流し込んだ。…………気持ち悪い。最後のガスター10とレバミピド錠を飲んで出発。こんな状況でも、不思議と大江戸に行かないという選択肢はなかったようだ。

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馬喰町エイド
 「食べられないから力が出ないので走れない」まだ、そんな状況になっていないのはわかっている。しかし食べられていないので、精神的に走れないと思ってしまうようだ。走ったり歩いたりを繰り返しながら、3時頃成願寺に到着。カレーを超少盛にしてもらい、15分それとにらみ合いながら、米粒1粒を胃に入れていく。「エイドが混雑してきたので15分経った方は上の休憩所に移動してください」とアナウンスがあったので、少盛りカレー2/3以上残して先へ進むことにした。しかし代々木駅あたりでついに動けなくなる。子供の頃夕方まで精一杯遊んで家に帰るのも辛くなった感覚が蘇る。とうとう燃料ぎれのようだ。5分~10分座り込んでウトウトしていると身体が動くようになり進む。また動けなくなるので腰を降ろすを繰り返して馬喰町エイドに到着。

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スカイツリー
 「きりたんぽ食べますか?」さすがに全然無理だなとお断りすると、「汁だけでも飲んでみて!」恐る恐る口につけて飲んでみると、不思議と胃が受けつけてくれた。薬より暖かい汁なのか?疲れた身体でも白湯だけは飲めるというのをよく聞く。今思えば薬は効いていたのだろう。胃を握られるような痛みは唐子以降は無かった。ただ胃が動いていない状態が続いていたのかも。きりたんぽ汁が胃を動かすイグナイターの役目をしたのかもしれない。

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秋ヶ瀬エイド
 おしなりエイドではちっちゃなにぎりを汁に入れて食べられた。何故かクリームパンが食べたくなり、赤羽あたりのコンビニで買って食べた。あとはヒタヒタと歩を進めてさっさと終わりにしなくてはと前に進む。

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254バイパス
 バイパスをヒタヒタと走るが歩きが入ってしまう。疲れ切っているのだろうか?前を走っていた方が、ゴールまで一緒に行きましょう!とのことだったので一緒に走りだす。夜中の0時の時間帯に都庁を通過しているとても速い方なのだが、暑さにやられてしまったとのこと。一緒に走り出すと不思議とまだ全然走ることが出来る。「もう駄目だ」と思った時、それは自分の弱い心だけで言葉であって、身体の方は「実はまだまだ疲れてない」「実は身体を動かす糖分は体内に残っている」きっとそうなのだろう。

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ゴール会場蓮馨寺
 退屈な最後の区間をこれほど走ったのは初めてだ。今回は何とか18時少し前に蓮馨寺に戻ってくることが出来た。


装備~小江戸コース

ドラウトエア ファイントラック
FT Racing Short アシックス
ハーフタイツ UNIQLO
インスピレーションゲイター C3fit
防風上着 EXライトウインド ジャケット モンベル
手袋 ダイソー100均DIYコーナー ダイソー
帽子 ランニングCAP ニューバランス
ゼッケンベルト ゼッケンベルト Shoebill
靴下 tabioレーシングラン5本指 Tabio
シューズ Flow7 BROOKS
バック AK Mountain Vest 3.0 Ultimate Direction
ヘッドライト TH-031D ジェントス
ハンドライト パトリオ6 GP-6BK ジェントス
背面灯 チカチカライト TW
救急セット 救急セット一式 ドイター他
腕時計 MZ-500 EPSON


装備~大江戸コース

種別 品名 メーカー
トレッカー LSジップシャツ TARAS BOULBA
スキンメッシュT ファイントラック
FT Racing Short アシックス
ロングタイツジップ ナイキ
防風上着 ウルトラライトシェルジャケット モンベル
防風上着 ライトシェルジャケット モンベル
手袋 ダイソー100均DIYコーナー ダイソー
帽子 ランニングCAP ニューバランス
夜間帽子 BUFFもどきフロストバイト参加賞
ゼッケンベルト ゼッケンベルト Shoebill
靴下 tabioレーシングラン5本指 Tabio
シューズ Flow7 BROOKS
バック AK Mountain Vest 3.0 Ultimate Direction
ヘッドライト TH-031D ジェントス
ハンドライト パトリオ6 GP-6BK ジェントス
背面灯 チカチカライト TW
救急セット 救急セット一式 ドイター他
腕時計 MZ-500 EPSON

反省
・胃が弱った時は暖かい汁ものが良いかもしれない。
 刺激の少ない適当なものをコンビニで探しておかねば。
・眠さの一番の対策は「(歩かないで)走ること」なのではないかと感じた。
・冷たいものをゴクゴク一気飲みはやめる。
・水分は最後まで問題なく飲むことが出来た。
 経口補水液パウダーの効果 
 ①身体が水分吸収しやすい ②足が攣らなかった。(後半右足の土踏まずだけが攣りそうな状況)

第7回 FunTrails Round 秩父&奥武蔵 100km

7th FTR100 2021.11.20-21
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スタートを待つランナー達
 エントリーしたものの、このところ幾つもの大会が開催中止になり、そんな状況に慣れてしまっていた。今回も期待せずに日々が過ぎていき、気がついたら開催されることが確定していた。4月下旬、雲取山から鴨沢バス停に向かう際、何とか16時のバスに間に合わせようと、「しばらく山は走らないでゆっくり楽しむ」と決めていたのに走ってしまい、七ツ石小屋下で見事に転倒。左膝を血だらけにして泣きながら下山してから山は走っていない。トレラン大会も青梅高水山以来。そんな状況で100kmを完走出来るのだろうか?確実に開催されるだろうと確信した開催1週間前になって急に不安になった。

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前日受付
 前日受付しかないので、大会前日、午後休暇を取り会場へ向かう。西武秩父駅をおりて同じ目的のランナーを多数見つけて安心した。

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月が照らすスタート会場
 翌日車で会場へ。大会指定駐車場のセメント工場跡に駐車。前回2017年に来た時より道の駅周辺が整備されていた。スタート会場に着いて荷物を預けてスタートを待つ。思ったより寒くない。ぬるい感じでカウントダウンが始まり、もりあがりのないままスタート。途中で中止となった2017年同様に最後方に近いところからスタート。スタートの動画を見ると後ろから10~11番目位。今回の後ろからの理由は、体力的に不安な面と、何しろ山を走っていないので、下りなんかで遅すぎて渋滞ポイントになって迷惑を掛けるのを避けるため。

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武甲山を見て走る
 走り出した時点では、まだまだ暗いのでハンドライトを装備して走り出したが、スタート早々アスファルトの地面に落とし、更にそれを自分で踏んずけるという失態をおかす。そのあとハンドライトが接触不良になったのか、点いたり消えたり。力を入れて握るとしばらく点くが、少し気を緩めると消えてしまう。点いている時も明るくなったり暗くなったりという状況に…………。なんてこった、後半の夜間セクションを考えると不安が増大した。

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A1国際釣場(13km地点)
 FTR100のコースは、少しの区間を除いてほぼ知っている道。核心部は「A4から棒ノ峰への登り」、「A6から天覚山までのギザギザ」あたりではないかと考えていた。それを考えると序盤は全く無理できない。A1には7:10頃到着。「秩父よいとこ」和菓子を頂く。

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A2苅場坂峠(19km地点)
 A2は8:40少し前に到着。天気も良くて気持ちいい。このあたりで中盤を走っている感覚であったが、後で順位を見ると全然後ろの方。520番位であった。

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A3子ノ権現(30km地点)
 FTR100、関門に余裕がある設定だけれど、山を走っていなかった自分は不安で不安でしょうがない。早めに関門時間まで2時間以上の猶予を確保しておきたかった。A3には10:45過ぎに到着。ここで関門時間まで2時間30分弱のマージンを確保できて一安心。

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A4名栗河川広場(37km地点)
 この大会中、山を走っていなかった(歩いていてもよく躓いていた)ので、転倒するリスクも頭にあって、下りは特に慎重に進んだ。竹寺を過ぎてすぐに下界に降ろされる。アスファルト道路を走り出して、そこそこ疲れているのを実感。A4では少しゆっくりしようと決めた。12時少し過ぎにA4に到着。塩おにぎりとポタージュスープを頂く。ここでは20分程ゆっくりした。

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A5ドライブインゆのた(51km地点)
 ここから棒ノ峰手前まで700m弱の登り。少し休んで元気になったが、抑えて抑えて登る。紅葉シーズンでハイカーも沢山下山してくる。悶絶しながら登り終えて黒山へ。そこから小川峠まではご褒美区間だ。7年前、成木の森トレランで足が攣ったのが懐かしい。駅に向かわない方向のこの尾根はその時以来だ。小川峠が見えて、ここで左折して山を降りると思いきや、案内表示は直進方向。スマホでルートを確認するとまだまだ先へ直進してから山を降りるようだ。そしてこの先の尾根にコテンパンにやられた。黒山から小川峠までのなだらかなトレイルと打って変わり、典型的な飯能アルプス的ギザギザなトレイル。今までの余裕を使い果たし、16時過ぎに疲れきってA5に到着。夜の冷え込みに備えて、ロングタイツを履き、ドロップバックからコーラと菓子パンを食べる。そして、効果があると思って飲んだ「SUPER VAAM」。確かに効果があった。マイナス方向に。

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子ノ権現の茶屋の肉うどん
 ヘッドライトを装着してエイドを出た後、周助山への登りで身体に異変が。冷や汗が出て気持ち悪くなる。全然登って行けない。10歩進んで休むの繰り返し。どんどん抜かれるけれど、それどころではない。胃から込み上げてくる気持ち悪さに耐えながらトボトボ歩くが、一旦林道へ出たあたりでリバース……。原因は「SUPER VAAM」らしいと感じた。腰を降ろして真水を飲む。A5までは胃がすこぶる快調だったので投入を控えていたガスター10投入。気持ち悪さは無くなったが、まるで力が入らない。後ろから来るランナーに迷惑を掛けないようにトボトボと歩いた。

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A6子ノ権現(62km地点)
 竹寺を過ぎるころ、止まっていた汗が身体から出て来るようになり、身体が軽くなって来た。同時にお腹が空いてきた。何か食べなくてはと子ノ権現まで来ると、大会があると深夜まで開いてくれている茶屋が開いていた。すかさず肉うどんを注文。暖かいうどんを胃に負担のないようにゆっくりと食べる。まさに生き返る思いだった。A6には20時頃到着。

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A7東吾野(70km地点)
 夜に入ってから、ハンドライトは具合が悪くて点いたり消えたりなので、ヘッドライトのみ。A6からのこの区間は特に慎重にすすむ。下りはまさに牛歩の如く。このレンジはまわりも同じようなスピードで渋滞の起点にはならなくて助かった。大高山から天覚山までの区間はギザギザの上に歩けど歩けど全然天覚山に着かない。ここは見覚えがある!もう少しと思って喜ぶとまた下らせられたりと、予想通り身も心も削り取られた。A7東吾野には23:30頃到着。

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A8高山不動への階段(84km地点手前1km)
 A7からA8までは睡魔との闘いであった。A7手前で眠気が出たのでメガシャキを投入してA7を出発。しかし一向に効いてこない。彩の国でエイドが置かれる吾那神社で追加でもう1本投入。しかし全然効いてこない。ユガテに出る手前のベンチで腰を降ろして仮眠をとる。寒さはあまり感じない。茶屋の方も言っていたが、この夜はいつもより冷え込まなかった模様。10分程ウトウトしてから先に進むが30分程進むとまた眠くなる。登りは良いが平坦になると気が緩んで眠くなる。今回は全然睡魔が引いてくれない。どうにもならず、諏訪神社、八徳あたりでユガテ手前と同様、座り込んで仮眠をとりながら進んだ。何時間かかったんだろうか。フラフラになりながら4:30頃A8高山不動へ到着。

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A9苅場坂峠(90km地点)
 A8からはエイドの区間が短いので気持ち的にかなり楽だ。A8を出ても眠気は残ったままだが、止まらないでゆっくりでも前に進む。アスファルト道路ではかなり蛇行しているらしく、後ろから来た女性ランナーに声を掛けてもらった。側溝に落ちていたらと考えると本当に助かった。ありがとう。A9には6:30少し前に到着。

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A10県民の森(94km地点)のある方向……見えない
 さすがに明るくなって太陽の光も出てくると徐々に睡魔は消えていった。8時頃A10県民の森に到着。早く帰って風呂に入ってビールをのみたい!ここからゴールまでは区間の大半は往路で通過したコース。でも人の記憶は曖昧で、こんなところ通ったかなぁ?というところばかりで面白い。何とか無事にゴールに到着。完走出来て安堵した。

 装備

ドラウトエアLSジップ ファイントラック
スキンメッシュT ファイントラック
トレッカー LSジップシャツ(後半) TARAS BOULBA
スキンメッシュLS(後半) ファイントラック
Swallowtail Short THE NORTH FACE
インスピレーションゲイター C3fit
ロングタイツジップ(後半) Nike
防風 ウルトラライトシェルジャケット モンベル
靴下 レーシングラン5本指 Tabio
帽子 アルファドライキャップ THE NORTH FACE
夜間帽子 BUFFもどき フロストバイト参加賞
手袋 LIGHT TREKKING FINGERLESS GLOVE Berghaus
雨具 上 トレントフライヤージャケット モンベル
雨具 下 ピークシェルパンツ モンベル
防寒 ライトシェルジャケット モンベル
ゼッケンベルト BIKERIBBON
シューズ INFERNO XLITE 2.0 TECNICA
バック ZYGOS2.5 UltrAspire
ヘッドライト H7R.2 LEDLENSER
ハンドライト 閃 325 SG-325 GENTOS
救急セット 救急セット一式 ドイター他
腕時計 MZ-500 EPSON

【反省とメモ】
・なにより完走出来て良かった。
・レース中の「SUPER VAAM」投入は止めるようにする
・今回、一度も転んだり尻もちをつかなかった。
・眠さ対策について、もう一度検討する。

🏔南八ヶ岳 西岳~権現岳~編笠山 テント泊

南八ヶ岳 2021.10.02~03
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ギボシから眼下に青年小屋と編笠山を見る
 10月初めの週末も天気予報は良好で爆風の心配もなさそう。ただ、仕事で身体が疲れているようで、長時間の運転や長時間歩く気持ちにならなかったので、気軽にのんびりとしたテント泊をしようと南八ヶ岳に行くことに決定。富士見高原から西岳を経由して青年小屋でテント泊。翌日は編笠山を経由して下山する計画。

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富士見高原登山口
冨士見高原駐車場には6時15分頃到着。美濃戸口と違って駐車場も広いので朝早めに到着しなくて良い点がいい。6時半頃出発。5叉路分岐で西岳方面へ。

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不動清水
7時過ぎ不動清水到着。天気も良さそうでなによりだ。

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美しい樹林帯をゆく
編笠山を往復するのならば登りは西岳経由が良いとガイドブックに書いてあったがその通り。明るい樹林帯をゆき、登るにつれて雰囲気が変わっていく。

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樹林帯を抜けて編笠山を望む
樹林帯を抜けると素晴らしい景色が見える。9時少し前に西岳山頂へ到着。3~4人のハイカーがいた。

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西岳山頂からギボシ方面
西岳山頂からの景色も素晴らしい。まったく急がなくてよいので、おにぎり食べたりして30分ぐらいのんびりする。日差しも暖かく快適だ。

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乙女の水
西岳からはアップダウンの少ない苔むす森をゆく。そういえば西岳で休憩した後、さあ出発しようとすると登山道がどこにあるのかわからなかった。落ち着いてよく見ると東方向に赤リボンが見えたので、そこへ向かって道を見つけたが、山頂からは特に道を間違えやすいのではと思う。実際、この日の2週間後に西岳から南方面へ降りてしまった遭難事故が発生してる。
乙女の水まで来ると青年小屋はもう少しだ。しっかり水が出ているようで良かった。

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西岳方面
10時20分頃青年小屋に到着してテントの受付を済ましてテント設営。10張程張られていたが、平らな良い場所へ設営完了。11時過ぎにアタックザックを背負ってギボシ権現岳方面へ向かった。

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ギボシへ登る途中から青年小屋と編笠山を見る
ノロシバを過ぎると景色が開ける。岩場鎖場もあるので慎重に進む。

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ギボシと権現小屋と権現岳
天気が良い日の登山は本当に気持ちがいい。仕事の悩みなんかは小さなことに思えてくるし、きっとそれが正解なんだろう。こういう大きな自然の中に置かれると、「生きている感」「生かされている感」を味わうことが出来る。それが人生にとって大切なことなんだろう。

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権現岳からみるギボシ
ギボシ権現岳と山頂を踏んで青年小屋へ戻る。権現岳から見るとギボシの姿が全く変わるのは面白い。

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青年小屋 限定?食の豚カレー
13時過ぎに青年小屋に戻り、山小屋で何か昼ご飯を食べようとメニューを聞くと限定?食の豚カレーがあるとのことで注文。ビールとカレー、20代の頃は絶対合わない組合せだと思った記憶があるが、いまは中々良い組み合わせだと思っている。歳を重ねると舌が変わるのか、もしくは繊細さが喪失するのだろうか。

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17時頃のテント場
もう一杯ビールを飲んでKindleを読みながら昼寝をする至福の時間を過ごし、17時頃外に出るとテント場は賑やかになっていた。

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1日目ルート
日が落ちるとグッと気温が下がる。そして少し風が出て来て周りの木々が騒がしくなった。夜半過ぎには風も止んだが、かなり冷え込み、あまりの寒さに何度も目が覚めた。あと1回位はテント泊に行けると思っていたが、もう今年は今回が最後にしようと心に決めた。

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編笠山へ登る途中から青年小屋を見下ろす
何とか6時過ぎに起きて朝食とコーヒーを取って、テント撤収に掛かる。しかしテントのフライシートも本体も霜で凍り付いてしまっている。このまま日が差すまでのんびりしていれば霜も溶けて乾くかもしれないが、渋滞前に帰京したい。凍ったまま収納して7時10分頃テント場を出発した。明らかにザックの重量は昨日より増加している。

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編笠山頂上から富士山を見る
この日も好天で、富士山が綺麗に見える。

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下山方向
下山方向が見えるがかなり遠く感じる。

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定期的に現れる標識
こちらのコースは少し暗く、森にあまり美しさを感じない。しかし定期的に標識があり、よく整備されている印象だ。

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臼久保岩小屋(石小屋)
石小屋を過ぎてから先、土石流の復旧工事がされているあたりで道が不明瞭になりウロウロしたが、無事に9時40分頃駐車場へ帰還した。
後でWEBで確認すると2018年の台風で、乙女の水の横の崩落が土石流となり、ずっと下流の冨士見高原登山口近辺まで到達したとのこと。自然の力は凄まじい。

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2日目ルート

装備

ザック スタウト 45 グレゴリー
サコッシュ treck carry sacoche Karrimor
テント VL-16 プロモンテ
グランドシート VL-14用 プロモンテ
シュラフ アルファライト300X イスカ
シュラフカバー エスケープライトヴィヴィ SOL
マット コンフォートシステムエアパッド150 モンベル
コンフォートシステムピロー モンベル
ランタン ミニランタン モンベル
ストーブ ZIP JETBOIL
ボトル 0.5L Tritan nargene
クリアボトル0.5l モンベル
救急セット 救急セット一式 ドイター他
ストック ウルトラディスタンス Black Diamond
ヘッドライト TH-031D ジェントス
ハンドライト DM-031B ジェントス
アタックザック トレイルブリッツ12 Black Diamond
雨具 上 トレントフライヤージャケット モンベル
雨具 下 ピークシェルパンツ モンベル
防寒上 ライトダウンジャケット 無印良品
ジオラインLS MWハイネックZIP モンベル
防寒下 ライトシェルパンツ モンベル
ヒートテックタイツ ユニクロ
ヒートテック靴下 ユニクロ
防風上着 ウルトラライトシェルジャケット モンベル
ドラウトエアLS ZIP ファイントラック
スキンメッシュT ファイントラック
ストレッチ ライトパンツ モンベル
手袋 ダイソー100均DIYコーナー ダイソー
帽子 レインパックキャップ AIGLE
靴下 ウイックロン トレッキング ソックス モンベル
シューズ XODUS ISO Saucony
腕時計 MZ-500 EPSON


【反省とメモ】
・3シーズン用シュラフを買って、来年は10月末頃までテント泊に行けるようにする。
・霜のついたテントの収納方法を検討する。ザックの中で溶けてビショビショになった。

🏔猿倉~天狗山荘~不帰ノ嶮~八方尾根 縦走 テント泊 2日目

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不帰ノ嶮第2峰に挑む
 夜半過ぎまで強風が吹き荒れていたようだが、周りのテントが動き始めて目が覚めた時には風は収まっていた。寒さでシュラフから中々出られなかったが、5時半前には起き上がり、コーヒー淹れてパンをかじる。最終的に7張~8張程度のテントが張られていたが、私がテント撤収に外に出た時には私を含めて3張程しか残っていなかった。

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朝日を浴びる白馬鑓ヶ岳
 朝はさすがに冷え込む。天狗山荘も来週前半に今年の営業を終えるようだ。白馬方面は穂高周辺に比べて寒い為なのだろうか。「夏用シュラフでテント泊」もそろそろ限界な季節になってきたようだ。昨日の爆風の中歩いてきた鑓ヶ岳、反対にはこれから通る八方尾根が綺麗に見える。天狗山荘テント場で携帯の電波が入るのは八方尾根から直線距離が近いからなのだろうか?

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出発した天狗山荘を振り返る
 今日は風も収まり天気も良好で、万全の体制で先に進めそうだ。爆風の中、戻るような事にならなくて本当によかった。テントを撤収して、6時半過ぎに出発。

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不帰ノ嶮方面の稜線
 しばらくなだらかな稜線が続く。白馬から天狗山荘までも、爆風さえ無ければ気持ち良い山歩きが出来たのだろう。

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右手に見える剱岳
 気持ち良い稜線で右を見ると剱岳が見える最高の景色だ。しかしこの先は恐ろしい名前の難所が待っていると思うとさすがに緊張する。

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天狗の大下り手前から不帰ノ嶮を望む
 天狗の大下りの標識の所でストックを畳みザックに収納。水筒の類もザック内に収納する。ここから「慎重に落ちついて」の始まりだ。

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天狗の大下り鎖場
 鎖場岩場は降りる方が難しいと言われているし、私もその通りかと。不帰ノ嶮は白馬側からだと登りになるので、難易度が低いと言われる為、今回は白馬からのルートを選んでいる。
一方で天狗の大下りが文字通りひたすら一気に300m程降りなくてはならない。しかも鎖場岩場がそこそこ存在する。ここは特に長い鎖場であった。

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Ⅰ峰をゆく
 不帰キレットに入り、「慎重に落ちついて」と心で呟きながら登っていく。遠くから見ると何処に道があるのだろう?と思うようなところ、昨日ような爆風だったら、私には絶対無理だろう。

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Ⅱ峰核心部をゆく
 写真やブログなどのWEBで見た核心部と呼ばれる所を慎重に通過。○印のペンキをしっかりと確認してゆくことの大事さがわかる。○印をたどってさえいればちゃんと進むことが出来る。

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よく見る浮石
 WEBでよく見る浮石も確認。浮石の方へ向かって鎖があるが、昔は浮石近辺を通るルートだったのだろうか?少なくとも今のルートでは傍を通るだけのようだ。

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Ⅱ峰南峰からⅡ峰北峰、Ⅰ峰を望む
 「慎重に落ちついて」と心で繰り返しながら、Ⅱ峰南峰に到着。振り返り見ると、よく歩いたものだという位の人が通れそうに見えない稜線だ。

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不帰キレットから唐松岳を望む
 ここは体力よりも精神力を消費する区間のようだ。慎重に進むと、ようやく唐松岳が見える所まで来た。

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唐松岳から不帰ノ嶮方面を望む
 9時30分頃唐松岳頂上へ到着。歩いてきた不帰ノ嶮方面を見てほのかな達成感を感じた。

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これより八方尾根尾降りる
 唐松岳頂上は人が多いので八方尾根に降りる分岐あたりで、パンを食べながら少し休憩する。あとは整備された登山道を降りるだけだ。安心して油断してこけないように気をつけよう。

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色づき始めた植物
 八方尾根、どんどんとハイカーが登って来る。切れ間ないほどに。基本的に全部譲りの姿勢なので、全然先に進まない。コロナ禍で登山やハイキングを始めた方も多いのだろうか。

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八方池山荘と眼下に見える白馬村
 のんびりとすれ違うハイカー何人かと言葉を交わしながら、11時半ごろ無事に八方池山荘リフト乗場に到着。リフトに乗って下山した。

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二日目ルート

装備

ザック スタウト 45 グレゴリー
サコッシュ treck carry sacoche Karrimor
テント VL-16 プロモンテ
グランドシート VL-14用 プロモンテ
シュラフ アルファライト300X イスカ
シュラフカバー エスケープライトヴィヴィ SOL
マット コンフォートシステムエアパッド150 モンベル
コンフォートシステムピロー モンベル
ランタン ミニランタン モンベル
ストーブ ZIP JETBOIL
ボトル 0.5L Tritan nargene
クリアボトル0.5l モンベル
救急セット 救急セット一式 ドイター他
ヘルメット ステルス GRIVEL
ストック ウルトラディスタンス Black Diamond
ヘッドライト TH-031D ジェントス
ハンドライト DM-031B ジェントス
雨具 上 トレントフライヤージャケット モンベル
雨具 下 ピークシェルパンツ モンベル
防寒上 ライトダウンジャケット 無印良品
ジオラインLS MWハイネックZIP モンベル
防寒下 ライトシェルパンツ モンベル
パフォーマンスサポートタイツ ユニクロ
ヒートテックタイツ ユニクロ
ヒートテック靴下 ユニクロ
防風上着 ウルトラライトシェルジャケット モンベル
ドラウトエアLS ZIP ファイントラック
スキンメッシュT ファイントラック
ストレッチ ライトパンツ モンベル
手袋 ダイソー100均DIYコーナー ダイソー
帽子 レインパックキャップ AIGLE
靴下 トレイルランパイル Tabio
シューズ XODUS ISO Saucony
腕時計 MZ-500 EPSON


【反省とメモ】
・今思うと初日の爆風の中の稜線歩きが、キレット以上に怖かった。
・就寝時の防寒として、ヒートテックタイツとヒートテック靴下が活躍した。これからも持参しよう。
・晴曇雨だけではなく風についても予報から読み取れるようにしなくては。

🏔猿倉~天狗山荘~不帰ノ嶮~八方尾根 縦走 テント泊 1日目

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大雪渓をゆく
 9月のシルバーウィーク後半、24日は休暇を取得したので4連休、あわよくば大キレットへ挑戦することも考えていたが、穂高周辺で群発地震が発生したとニュースがあり、危険なので穂高方面は断念することにした。さて、何処へ行こうか?と白馬方面を調べてみると、頂上宿舎、天狗山荘のテント場に空きがあったので、天狗山荘テント場を予約。「2日前の直前でも以外と空きがあるものだな、天気も良さそうだ!よかったよかった」と安易に考えていたが、きっと経験豊かなハイカー達は、この2日前の時点でテント泊に適さない天候であると予測していたのに違いない。ルートは猿倉から大雪渓を登り、天狗山荘でテント泊。翌日は不帰ノ嶮を通り唐松岳を通って八方尾根を降りるコース。

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1日目ルート
 白馬八方バスターミナルの前の駐車場に駐車。ここは8年前の白馬国際トレイルランのスタート/ゴール会場だったところだ。初めての50km超トレイルランでボロボロになりながらゴールしたのをしっかりと覚えている。バスターミナルからバスにのり猿倉へ向かう。バスは2台出たのでハイカーは全員座ることが出来たようだ。

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猿倉荘
6時15分頃猿倉荘に到着。6時25分出発。予報通り天気も良さそうだ!

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白馬岳方面
しばらく林道を歩き、登山道に入ると登りが急になってくる。天気も良く見上げると絶景がみられる。来て良かったと思える瞬間だ。

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遠くに雪渓を望む
この時期は大雪渓もかなり面積が小さくなっているらしく、白馬尻小屋が建つ場所からも、しばらくの間登山道を歩く。しかもかなりの急登だ。見上げると青い空。でも雲の動きが速いなとはこの時思っていた。

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歩いた大雪渓を振り返る
大雪渓はあっという間に通過。チェーンスパイクも用意していたが、装着しなくても問題ないような状況であった。

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急登をゆく
大雪渓通過後は急登が続く。心なしか風が強くなってきたようだ。見上げると稜線から青空が少なくなっている。

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振り返る
稜線に近づくにつれて風が強くなり、さすがに寒くなって来たので、避難小屋あたりでレインウェア上を着る。周りのハイカーも皆上着を着始めている。「いや~風が強くなってきましたね~。まぁ予想はしていましたが。」隣の経験豊かそうな方に話しかけられた。何!?この強風は予想範囲のものだったのか!私は全く予想出来ていなかった…………。動揺を隠しながら、とりあえず「はい。」という返事で答えた。

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頂上宿舎
9時40分少し前に頂上宿舎へ到着。食堂売店がやっていればと思ったが、まだ鍵が掛かっている。トイレを借りて、白馬岳に向かう。

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白馬山荘と白馬岳山頂を望む
稜線へ出ると吹き飛ばされそうな爆風が!前回、白馬岳山頂はガスの中での登頂であったので、天気が良ければ寄っていこうと思ったが、前回よりも悪天候のようなのでやめる。

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頂上宿舎テント場
強風の中、テントを設営しようとする方が見えたが、なかなか設営できずに難儀していた。私も他人ごとではなくなって来た。

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爆風の中の杓子岳
風速は20メートル位はあるのだろうか?この爆風の中、先に進むか悩む。少し待てば風が収まるのだろうか?一人のハイカーが迷っている私を抜いて天狗山荘方面へ向かった。それを見ても少し悩んだが、私も先に進むことにする。但し、いつでも戻れるような気持ちと体制で。

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白馬鑓ヶ岳へ続く稜線
風は富山側から長野側へ吹き抜けている。この稜線、長野側が崖だ。即ち風に煽られれば落ちる。なるべく長野側の稜線に近づかないように身体を低くして進む。杓子岳山頂への道は、それこそ煽られて落ちそうな予感しかしないので巻き道を進む。

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鑓ヶ岳から白馬岳方面を振り返る
強風時は鞍部、稜線で低くなっている場所が注意だ。風が鞍部に集まってくる。稜線より風が3割増し位に感じる。前からハイカー一人とすれ違った。後ろからは迷っている時に抜かされたハイカーともう1名の2名のハイカーが続いているようだ。少し不安な気持ちが和らいだ。そう言えば、昨年の夏に黒部五郎岳から北ノ俣岳間では、この位の強風に加えて雨やあられも混じっていた。そう考えると落ち着いてくる。

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天狗山荘近くから白馬鑓ヶ岳を振り返る
12時30分過ぎに天狗山荘へ無事到着。長野側にある山荘は、この時点では風が穏やかであった。受付を済まして誰もいないテント場で一番良い場所にテント設営をする。強風対策でしっかりとペグや石でテントや張り綱を固定した。

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天狗山荘で牛丼
小屋ではお昼として牛丼を注文。小屋の中は風とは無縁で平和そのもの。宿泊者も数人いるようだ。テント場はこのまま独りだったら嫌だなと思っていたが、お昼を食べてテント場に戻ると数張り張られていて安心した。先ほどよりも風が出て来て設営に苦労しているようであった。明日もこの風が続いていた場合、私の技量では不帰キレットに行けば恐らく落ちるので、その場合は来た道を戻ろうと決めた。
この夜の強風は凄まじく、潰れるかと思う程にテントのポールがしなる。昨年の黒部五郎小屋でのテント泊ではこの位の強風に加えて雨と雷にみまわれていた。その時の経験が確実に生きているなと思い眠りに落ちた。