登っても走っても変われない

山登りやランニングの趣味を書き留めておき、老後、思い出に浸る為の備忘録

ULTRA-TRAIL Mt.FUJI 2019 <当日編②>

UTMF 2019 2019/4/26-27
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A2麓
足元は泥んこ、おしりも泥んこ、泥んこのトレイルからロードに出てからも長かった。身体も疲れ切ってA2麓エイドに到着したのは23時半少し前であった。予定であれば21時半頃には到着している筈が、2時間も遅れている。

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富士宮焼きそば
 腰を降ろして楽しみでもあった富士宮焼きそばを頂く。無くなっていなくてよかった。20分程ゆっくりしたが、先のことを考えてトイレに行きエイドを出る。エイドを出てからしばらくは林道のようなそこそこ幅の広い道を行く。雨のせいで所々大きな水たまりが道を塞いでいて、その都度通過するのに難儀した。6kmほど行き、左折すると登山道に入る。ひたすら黙々と登る。登りながら考えたのは、多分、また下りは泥んこ状態だろうなということ。竜ヶ岳山頂付近は、風が強くて寒かったのを覚えている。下りは予想通り泥んこ状態で所々で渋滞が発生していた。

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A3本栖湖
 再び泥まみれになりながらロードに出て、3km程進むとA3本栖湖に4時頃到着した。身体が冷えるせいかトイレが近い。トイレに行き、パンなどを食べて15分後にはエイドを出た。A2から2時間あまりしか関門に余裕がない。次のA5ではドロップバックもあるし仮眠もとりたいのでもう少し余裕を持ちたいところ。エイドを出てからすぐに登りが始まる。

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夜明けのトレイル
 登りはしっかりと登れたが、尾根道を行く間に段々と疲れが溜まって行き、平坦でも歩きが混ざるようになった。夜も明けてきた。切り株を探して座って補給しようとするが、切り株が中々ない。

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コースからの本栖湖
 本栖湖が綺麗に見えるところで、ようやく一息をつくことが出来た。空は雲が低く曇っていたが、本栖湖は美しかった。昨日から初めて良い景色に巡り合ったという感じだ。走りながら思い出すことは、まだ仕事のことが多い。2時間しか余裕が無い状況で完走なんて出来るんだろうか?昨日から気持ちは一向に持ち直していないのがわかる。ずっと低いテンションのままであった。A4精進湖手前は、ヘロヘロ状態で走り半分歩き半分という感じであったが、何とか7時過ぎにA4精進湖に到着した。

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A4精進湖民宿村休憩所
 ドロップバックを受け取ると、体育館のような場所に入り、忍ばせておいたお粥を食べて横になる。ちょうどこれから出発する方が毛布を渡してくれた。1時間弱程眠ることが出来た。その後は下着からすべて着替えた。今日は気温が下がるということなので、下は短パンからタイツにした。足には保護皮膚クリームを再度塗りたくる。過去の失敗は繰り返さない。

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A4精進湖民宿村
 ここでお湯を調達できたのか!?カップ麺も忍ばせていたが、最初お湯が何処にあるかわからなかったので食べることが出来なかった。そのかわり、お湯を配っている近くにお粥があったので頂く。身体は何か重かったが、次のエイドでもしっかり休もうとドロップバックを預けてA4精進湖を出たのが8時45分頃。次のA5まではほぼロードで山はないという話なので(真面目にそう思っていた)、何とかなるだろうと考えていた。

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地獄の紅葉台を行く
 ロードに出てからは、多分ここが正念場であると思い長い登り基調を頑張って走る。頑張って走った記憶があるが、GPSのラップを見ると、キロ7分半~8分半位。かなり疲れ切っていたことがわかる。鳴沢氷穴を通り、紅葉台方面という方向に進む。紅葉が綺麗な丘なのかな?程度に考えていたが、1kmほど登るが終わりが見えない。ふと立ち止まり、スマホを取り出して地理院の地図で確認すると丘どころが、足和田山までずっと登り基調で行かねばならないことに気づき呆然とする。ロードで無理して走らなければよかった………。私はUTMFの出走を諦めていたので、コース全体を全く把握していなかったのである。次々と現れる登りでは、フラフラで何度も立ち止まらないと息が切れてしまうほど疲労困憊な状況に陥った。ジェルを摂取してメガシャキを飲んでも状態は改善されない。「もう駄目かもしれない」本気でそう考え始めていた。ようやく下り基調になっても、下りでも走ると息がきれてしまう。この身体はどうなってしまったんだろうか。

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折れた心で河口湖街を望む
 山を降りてからも一歩も走れない。この時は「駄目かもしれない」から「もう駄目だ」と心が折れてしまっていた。歩き通してA5勝山に到着したのは12時少し過ぎてからであった。ここでリタイアするつもりでリタイア受付デスクを見るが人が座っていない。仕方がなく腰を降ろして家族にリタイアするつもりであると報告しておく。デスクは相変わらず空なのだが、ストーブの前の席が空いたのでそこで暖を取る。と同時に眠りについた。「あと12分でここを出ないとリタイア扱いになります!」というようなアナウンスで目が覚める。そうか、13時までにここを出ないと駄目なのか?隣に座っていた方は、装備を整えて次へ進むところであった。その方から、関門ギリギリで出たとしてもサボらなければ次の関門も間に合うという話を聞く。私も行こうか!ちょっとしたタイミングでの決断であったが、私も先に行くことにした。13時少し前に、出口で副実行委員長の福田さんと"Fist Bump"してA5勝山を出る。出たのはいいが、エイドを出てすぐに、見栄をはってしまったな…と後悔した。この時A6忍野まで、まったく行ける気がしていなかった。